小形の恐竜(The Little Dinosaurs)とも言われるトカゲは、爬虫類皮革の中でもポピュラーな素材で、世界中に数多くの種のトカゲが生息しており、その数は16科383属 3751種にのぼります。皮革製品に利用されているものは極めて少なく、現在、ワシントン条約上国際取引可能な種は約9種類で、主なものは次の通りです。
ミズオオトカゲ(リングマークトカゲ)
トカゲの革の最高級品で、大きなものは、全長2メートルを超し、利用価値が大です。背部は丸い粒状の鱗で、背中に輪状、及び点状の斑紋が並んでいるところから、リングマークトカゲと呼ばれていますが、この斑紋を活かしたタイプと斑紋を除去し、仕上げたタイプのものがあります。また、腹部を割き、背部を活かしたものを、Belly Cut Type(ベリーカットタイプ)。反対に、背中を割いて腹部を利用するものを、Back Cut Type(バックカットタイプ)といいます。
ナイルオオトカゲ(アフリカトカゲ)
ミズオオトカゲと同様に、サイズも大きく利用価値があります。背部の斑紋は小さな点状で、ミズオオトカゲ(リングマークトカゲ)の様な特徴とならないため、多くは斑紋を除去した鞣し仕上げになっています。
テグー(テジュー)
光沢のある鱗で被われ、黒と白の不規則な模様があります。腹部の長方形をした鱗が他のトカゲに見られない、ボリューム感を持っているところから、背部を割いて、腹部を活かした、Back Cut Type(バックカットタイプ)が多用されています。
イグアナ
頭部から背中を経て尾部まで、たてがみ状の鱗があるため、革として使用する場合は、背部を割き、腹部を使用します。
カイマントカゲ(ジャクルシー)
頭部から背部にかけて、特徴のある楕円形の背鱗板が、ワニの背部の様に並んでいるため、カイマントカゲ(ワニトカゲ)などと呼ばれています。生息地は、南米ブラジル、ガイアナが主です。