クロムなめし
合成剤(硫酸クロム、重クロ ム酸ナトリウム、カリウム塩 クローム塩など)を用いた科学的製法によるなめし方で、革製鞄では8割を占めています。ソフトな風合いで比較的軽く、裏面に青みがかった深い光沢があり、柔軟性、伸縮性に富み、摩擦にも強く耐久性、耐水性もあります。但し、水を吸収すると乾燥が遅い性質があります。
タンニンなめし
天然の植物(木樹の渋抽出した天然剤)を利用した製法で、手間はかかりますが、より自然な風合いが楽しめる革です。使い込む程に独特の色に変化し、柔らかくなる性質があります。濡れても乾燥が早く、クロムなめしの革よりも伸びにくい革です。また、吸水性が良く染料に良く染まります。オークチェスナット等を使った植物なめし(Vegetable Tannage)の一種でなめした革は、黄褐色を帯びています。
混合(複合)なめし
2種類以上のなめし剤の特徴を生かし、用途毎になめした革です。クロムなめしの後にタンニンなめしをすることを「コンビなめし」ともいい、逆にタンニンなめし後、クロムなめしすることを「逆コンビ」といいます。 クロムとタンニンの長所を生かした革を作ることができます。
油なめし
動物の油脂で皮をなめす方法で 耐水性に優れています。セーム革がこれにあたり、洗濯も可能です。
白なめし
国内で伝統的に行われてきた製法です。川につけて、バクテリアの作用で脱毛し、塩入れ、菜種油による油入れなどを経て、天日干し、足揉みを繰り返すという 1千年まえからの技法によってなめされていきます。天候と相談しながら、合成・化学薬品を全く使わず、根気と手仕事で作られた淡黄色を帯びた白い革です。有名な姫路白なめし革は、出来上がるまでに3ヶ月以上もかかってしまいます。