変色
タンニンなめし等では、主に植物から採取したタンニンを用いておりますが、このタンニンが日光等での革の変色をもたらします。革本来の質感、風合いを活かすタンインなめしの手法は、「ヌメ革」等で使われており、古来から行われてきたなめし手法です。この経年による色変化には好き嫌いがありますが、革を活きた素材として考えた場合、色変化による使い手への「馴染み」を受け入れることができるのではないかと思います。多くの大量生産品は、経年変化を嫌う傾向が多いのですが、自分に馴染むこの感覚は革本来の魅力であると思います。適応性と弾力性
作品におけるスタイルの美しさも品質価値として重要な要素であり、平面な革の部品が、接合、縫製、釣り込み等の作業の結果、美しい立体型を維持出来るのは、革の適応性によります。さらに、その後も型を留めているのは、革に弾力性が有るためです。つまり、適応性によって「型」通りの形になり、弾力性によってその形が保持されているといえます。
通気性
革製品は蒸れが少ないと言われています。それは、革の持つ独特の繊維構造が水分を吸収しさらに、外部に放出しているためで、つまり通気性が有るといえます。もっとも、革の表面を樹脂等で加工した場合は、通気性は失われます。強度と伸張
革は、破れる前に、大変強いひっぱり強度とよく伸びる伸張力という両性質を持っています。こうした性質は使用する動物の種類や製革法によって異なります。また、革の種類や年齢、鞣し方、吟面処理の方法等にもよりますが、すべての革(牛等)の伸張方向と、繊維の引き締まった強さの方向は、おおむね一致しています。一般的には、動物の可動部分(首、すね等)の革は、伸縮の度合いが大きく、強度も落ちる傾向にあります。