デザイン
もっとも時間がかかるのが、デザインの考察です。用いる革の質感と特性とのマッチングが重要な要素です。イメージする形を具現化するために、紙でモックを作成したりしながらデザインを固めていきます。材料選定
イメージする作品に合った革を探し出します。この作業はマッチした革に出会えるかどうかですので、運が良ければ即日、運が悪ければ数ヶ月かかります。また、革が見つからずお蔵入りになるデザインもあります。パターン起こし
デザインが確定し,革が見つかったら、型紙を起こしていきます。革質を見ながらデザインを微調整しながら全体のイメージを形にしていく最も重要な作業です。目打ち
革を裁断する前に目打ちで縫い穴をあけます。厚手の革には菱目打ちで縫い穴をあけていきます。また薄手の革では場合により丸目打ちで穴をあけていきます。こういった目打ちの間隔(ピッチ)は出来上がりの雰囲気を左右しますので作品に合ったピッチの打ち具を選択します。また目の形で縫いあがりも決まってきますので、慎重に作業を行います。裁断
革包丁で裁断していきます。正確な裁断が後の工程を楽にします。手縫い

使う糸には白蝋、蜜蝋と松脂を混合したロウを引いています。糸に合わせて各蝋の混合比率を調整して使用しています。そのロウによって縫いが締まり、毛羽立ちが抑えられ、また耐久性が向上します。
革小物など、他の物との接触が多い物は摩擦強度が麻糸より優れているポリエステル糸を使います。
また、他に「シニュー」と言う動物の腱を使った糸もありますが、最近は人口的に化学繊維をつかった「人工シニュー」にとって代わっており、本来のシニューの生産は減少してきています。