
当工房の財布の小銭入れ部分はボックスタイプと呼ばれる箱型の小銭入れとなっています。
これは取り出しやすさを重視しているためです。長財布ではこういった財布は見あたらないかと思いますが、使い勝手を重視したデザインです。
長財布の小銭入れはどうあるべきか。
通常多くある長財布の小銭入れはファスナーで閉じるポケットタイプです。しかし、これだとポケットが深くなりがちで小銭が取り出しにくく、そうすると小銭が溜まってしまい財布が膨らんでしまします。
財布の小銭入れは、取り出しやすくしないとスッキリしたフォルムが維持できなくなります。
その回答が長財布でのボックスタイプの小銭入れですが、別途小銭入れとして販売しています、折りたたみ式での小銭入れ単品があります。
折りたたみ式の小銭入れは見た目以上に小銭がはいり、手のひらで広がり小銭が極めて取り出しやすい形状です。
この折りたたみ式の小銭入れを財布に応用できないかとずっと考えてきました。
この折りたたみ方式で、浅いポケットにして開くと小銭が広がり取り出しやすい。
そういった小銭入れなら、ボックスタイプの形状にしなくとも使いやすくなりますね。
この方針で、ようやく長財布の新作のデザインができつつありますので、ご紹介します。
カード入れは片面に6枚を縦に並べコンパクトな長財布にする予定です。横に並べると幅が広がりますので、今回は縦並びです。
お客様からのご要望はカード8枚収納ですので、あと2枚のカード入れをどうするか検討中です。
その結果デザインが変更になるかもしれませんが、今のところあと2枚のカードは収納ポケット内に入れるか、6枚のカードポケットの裏を考えています。
図案だとイメージしにくいかも知れませんが、小銭入れ部分は折りたたり式で内貼りは丈夫なノブレッサカーフを使います。その裏に収納ポケット、またその裏に札入れポケットを考えています。小銭入れ部分の裏に収納ポケットを付けるのは蓋(かぶせ)の部分が小銭を取り出す際に邪魔にならないようポケットを一つ挟むようにするためです。これで取り出す際に小銭の上に蓋がこなくなります。
また、小銭入れの部分(ノブレッサカーフ)は、浅くするためポケットの中で浮いていますので、その下に空洞ができます。ここも収納に利用できないか検討中です。
収納ポケットは、片面の6列のカード入れの裏にポケット2つで、札入れ用のポケットも含めて合計で4つです。 このポケットの数は、革の厚みなどを考慮して最終デザイン時に調整しますが、最低でも3つはポケットを付けようと思っています。
できるだけコンパクトで極めて取り出しやすい小銭入れ付きの長財布となる予定です。
表の革はミネルバボックスがブッテーロ、内側の革にはブッテーロを予定しています。特に内側は厚みも考慮して革の裏面もデザインとして使おうと思っています。革の裏面を加工して綺麗に見えるのがブッテーロだからです。また、薄くとも張りのある革なので財布の形状を維持しやすいからです。このあたりも最終デザイン時まで検討を続けます。
目標とする販売価格は、35,000円(税込)です。
今しばらくお時間ください。納得できる長財布を目指しています。